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  • 執筆者の写真おだぽひ

結婚してからのあれこれ『Dの意思を継ぐ家』


どうも


『マスタードシードをテンパリングしてた弾けて俺がテンパりんぐ』


南インド料理にはまっているオダです。


テンパリングっていうのはシード(種)系のスパイスを油と一緒に軽く炒める事なんですが、マスタードシードっていうやつをやるとパチパチ音がして香ばしい匂いがした瞬間、四方八方に飛び散ります。

初めてやった時は、あっちこっちに飛ぶは私に熱々の種が飛んでくるわ、気が付いたらフライパンに6粒くらいしかマスタードシードが残っていなかったです。




久々の更新です。本当は6月くらいに更新しようと思っていたのですがイベントが立て続けにやってきて毎日が限界でした。


その中でも一番のイベントが引っ越しでした。今回は絶対にやってはいけない引っ越しのタイミングで引っ越しを行ったそんな話。



結婚をしてから数か月、住んでいたのは私が住んでいた10畳ワンルームの部屋でした。引っ越しは来年かなーとか考えてました。お金の問題もありますが、やはり住むなら長く住みたいからじっくりと考えていこうと二人の心の仙道が言っていました。




東京は家賃が高い。そして交通の便も難しい。ありとあらゆる街の魅力を調べたりしました。全く見た事無かった


アド街ック天国


なんかを二人で見たりしてました。


小竹向原最強説、方南町最強説、公団住宅最強説、足立区最恐説


色々な最強説を調べました。しかし、ご存じと思いますが物件をネットで探すのは本当に大変。良い物件だと思っても大体何かで躓く。良くあった流れが


妻「ねぇ!これ良くない?!」

私「むっ。この感じ・・・風呂が怪しい。」


写真スライド。真四角な小さな風呂が現れる。


私「あかんわ」

妻「四角!!立って入れってか?!」


って下りが少なくとも20回くらいはありました。


そんなこんなで無作為に調べては心が折れてを繰り返し、気が付いたら妻ちゃんは広告動画で良く見る噴水を繋げるクソつまんねぇゲームをスマホでやってました。妻ちゃんも「クソつまんねぇ」

と言いながらやっていたので、多分修行の一環かなと思っています。


そんなこんなでたまに検索するけど飽きてを繰り返してた。


とある6月頭、二人の休みが久々に合ったので私の提案で


『第一回 住んでみたい街に実際行って、住んだ気持ちで歩いてみようの会』


を開催しました。デートのマンネリ化を恐れる私の苦渋の一手でしたが、妻ちゃんは思いの他テンションがあがった。


と、いう事で第一回目は


東京のブルックリン『蔵前』(アド街ック天国調べ)


妻ちゃんは蔵前に凄い憧れがあった。街の雰囲気や大好きな文具や雑貨が良い感覚で並んでるらしく、以前から住みたがっていた。

なので蔵前散歩開始。蔵前は素敵な街でお茶したり雑貨や家具を見たり。デートにはぴったり。

だが、住むにはどうか。ちらほらスーパーはあるものの買い物はかなり不便。商店街は見当たらない。

綺麗なマンションは多いが、止まってる車は外車ばかり。


私「こんなの人が住む街じゃねぇ!」

妻「いやすんごい住んでるから。」

私「皆、自炊どうしてるんだよ!」

妻「そんなのを気にしない人達が住んでるんだよ。」

私「ギャフン!」


第一回目は現実を突きつけられて終了。しかし、これで再び熱が帯び始めた。


第二回方南町荻窪

第三回小竹向原江古田周辺


を開催。それと同時に検索も熱を帯びる。があまりしっくりこない。また私が忙しくなるから引っ越しはやっぱりまた今度かなーと熱が冷めかけた瞬間、一件、凄く条件の良い物件を妻ちゃんが見つけた。


よし、一回は内見してみてそれからまた計画を立てよう。


と。


いざ夫婦初めての不動産屋へ。

個人的に一人暮らしの為の不動産屋とはなんか違う気持ち。

夫婦として住む場所を選ぶってなんか凄く特別な事の様に思えた。妻に対する責任や結婚生活を幸せにする使命みたいなのを感じた。

勝手に緊張する私。

ワクワクする妻ちゃん。


担当してくださった方がなんともチャーミングで親切な方で他にも色々な物件を出してくれる。妻が見つけてきた物件、その別の棟。綺麗なファミリー物件。テラスのある物件。謎の地下室がある物件。


いざ内見。


テラス物件は魅力的だったが、妻ちゃんが


「テラスがあるのに両隣は何も置いてない。このテラスは何かある。良くない。」


と謎の推理発言をした。


謎の地下室は不動産屋さんも含め三人で向かう最中は凄くテンションがあがっていた。が、行くと、台所に謎の蓋があり、開けるとそこはジメジメした地下労働施設かと思うようなカイジも真っ青な狭い空間があった。


階段を降りる私。予想以上にカビくさいし何のための地下室かも分からない。地下室というより謎の地下空洞くらい。

チンチロをしてるハンチョウはいなかったが、妻ちゃんは降りてこようともせず寧ろ何故か若干引いた目で私を見ていた。




これが圧倒的敗北かと思わずにはいられなかった。


そんな中、妻が見つけた物件の別の棟の物件が一番素晴らしく綺麗だった。建物自体は私と同じ年齢だが、内装はオールリフォーム。キッチンを見た瞬間


「わぁ!!キッチンが綺麗!!広ーい!」


と声を上げる私。一緒にテンションがあがる妻ちゃん。2DKの物件だが「D」の部分がかなり広い。全ての「D」の意思を受け継いでるんかと思うくらい広い。




他の二部屋も狭くない。二人で暮らすには十分おつりがくるくらいだ。しかも家賃が安い。そしてファミリー向け。将来を考えても安心である。


一気に具体性を帯びてくる。


一通り見て店に戻る。


担当者さんが「どうしますか?」と聞いてくる。


正直、


今後の為に下見を~


くらいの気持ちで来ていたから即決が出来なかった。

だが、物件は今までにないくらい素晴らしい。住む地域は板橋区と未知なる地域だが、物件を回っている時に良い地域だな感じていた。



唸る私。


常套文句ではあるが

「他で決まる可能性あるので、決断は早い方が良いですよ」と言われる。


気軽なつもりの不動産巡りが一気に決断を迫られている。が担当者さんが唸っている私に


「とりあえず申込書だけ書きませんか?それならどちらにせよ電話一本で動けますから」


と言ってくれる。


おぉ!それならとりあえず!


と申込書を書く。


男織田圭祐、夫婦で住む家の申し込み書を書く


これはなかなか一大イベントだぜ。仮とは言え、これは大仕事だぜ。一家を守る存在として責任がかかってくるぜ!


と意気込んでいると


担「旦那さんのお仕事は?」

私「自営業ですね!」

担「自営業ですか・・・。ここの大家さんが以前、自営業の方で少しトラブルがあったみたいで・・・」

私「そ、そんな!確かに自営業の中でも不思議な部類に入りますけども!私は凄く良い自営業ですよ!」

担「奥様は会社勤めですか?」

妻「そうですね。」

担「もしかしたら奥様の名義の方が良いかもですね。」

私「・・・頼んだ主。」

妻「主にはしないで。」


という事で一大イベントは妻に譲る。無念織田圭祐。


そして帰宅。



私「正直、魅力いっぱいたかじんの胸いっぱい。」

妻「たかじん?」

私「あ、ごめんなさい。」

妻「私もかなり魅力的だし引っ越したいけど、貴方のスケジュールがきつくない?大丈夫?」

私「結構やばいよな。やれる日あるんかな?」

妻「私は貴方の判断ならどちらでも良いよ。無理はしないで。」


この日は判断保留。


次の日の朝、何気にまた物件を調べてると、迷っている物件が違うサイトで好条件で募集していた。

更新費無し、手数料無しだった。


気になり、電話をかける。すると、実はこの物件は土日に他の人の内見の申し込みがもうあって、決まる可能性があるとの事。内見は無理だけど、申し込みは出来ますよと。


仕事の支度をしている妻に相談。


私「どうしよう・・・。見なきゃいいのに見ちゃって電話しちゃった。」

妻「・・・私はね、実はあの物件凄く住みたい。」

私「そうだよね。」

妻「物件って出会いだからさ。これ逃したらあれクラスはなかなか無いと思う。」

私「・・・。やるか・・・。」

妻「・・・やっちゃえ。」

私「やっちゃえ日産」

妻「決める気ある?」

私「ごめんなさい。」


そして


妻「更新料は聞いてみないとだけど、私はあれだけ良くしてくれた担当者さんを裏切るのは良くないと思う。手数料はあの人の売り上げになるんだから私は手数料は払ってでもあの人にお願いしたい。だから契約するなら昨日いった所でしよう」


と。

私は妻ちゃんのこういう所が好きである。妻ちゃんの仕事柄でもあるが、彼女は金銭ではない所に重きを置いている。人が好きなのである。


私もその通りだと思い、決断の電話をする。


こうして気軽なアド街ック天国デートから数日で引っ越しが決まってしまった。


そしてここからが地獄のデスロードの始まりだった。




なんとこの物件、マジで2番手が控えていて書類でのんびりしてると大家さんが2番手に決める可能性があるとの事。滑り込みギリギリ一番手だったらしい。

なので、書類やら手続きを早急にしなければならなかった。


そして、俳優座での舞台監督の仕事も始まった。


昼一回の朗読劇の本番なので、体力的には余裕がある予定だったのだが、その現場にいた照明家がクソのような人で(例えこれをその人が見ようとも関係ないと思えるくらい)精神を毎日削られた。今までの演劇人生で一番過酷で地獄でクソな現場だった。これが誤算だった。


そんな毎日の中で、不動産屋の対応。本番終わりに書類を書きに行ったり、内見を再びしたり。書類を書いたり、送ったり。


そんな中、東京キャラバンのオファーも舞い込んだ。最高に嬉しいオファーだったがスケジュール調整に追われる。

そして江古田のガールズの四日市公演の舞台準備も始まる。東京の舞台監督のような演出助手を兼ねていたから、各スタッフさんとの打ち合わせやメールのやり取り。


そして引っ越しの段取りも始める。


引っ越しを決めたのが6月10日。そこから7月末までの私のスケジュールは


舞監現場2週間→中二日で江古田の稽古開始→弟の結婚式→そのまま四日市市入り→四日市滞在1週間→中二日で演出部現場開始


そこに引っ越しが飛び込んできた。妻ちゃんとの休みが合って準備がギリギリ間に合うのが7月12日の一日のみ。


約一か月の間にありとあらゆる事を同時並行で進めなければならなかった。


とにかく舞監をやっていた2週間は本当に地獄で妻には顔面が死んでいると心配された。


舞監業が終わり、少し落ち着いたがお互い休みがなかなか合わないので少しづつ梱包する。

引っ越し業者は頼まずに自分達でした。お金を浮かす理由もあったが、正直あの時期に探したり決めたりするのはもう限界だった。


妻ちゃんは仕事をしながらも最大限にサポートしてくれたし自らえんやこらと逞しく動いてくれた。

特に梱包の才能はピカ一だった。


そして7月12日。約6年住んでいた場所に別れを告げた。


単身28歳、東京に無謀に飛び込んで演劇生活をここまで出来たのは間違いなくこの部屋のおかげだった。

洞窟くらいしか光が差し込まない部屋だったが、家賃5万で風呂トイレ別で10畳。高円寺や阿佐ヶ谷が近く、自分にとっては最高の家だった。

妻ちゃんとの急な同棲生活もこの家じゃないと出来ていないだろうし、そのおかげで結婚も出来た。



色々な思い出が詰まった部屋。またいつか書きたい。


先輩たちの素晴らしい働きにより、引っ越しはスムーズにいった。


そして引っ越しの4日後、両親に妻を合わせて翌日弟の結婚式に出席。このエピソードはまた今度。

そしてその足で、四日市市へと行き、引っ越したばかりなのに一週間家をあける私。



妻「マジで肝心な時に家にいない運命な」



ギャフン!!


ではまた。









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