突然の風に吹かれてやってきました。
どうもフィールドオブビュー織田です。
前回のオラムからすでに四半世紀が経ってますが、その間はお決まりの擬音ダイジェストでお送りします。
キューってなって、ニンッ!って感じで、ドンッ!
って感じです。以上!
で、今になります。
本来なら、今も新しい現場に出ていたのですが、ファッキンコロナのせいで無くなりました。
3月に江古田のガールズの公演が出来た事は本当に奇跡に近い。何事もなく終了した。出来る限りの対策を劇団や関わってくれている客演さん、スタッフ、そしてお客さんにしてもらったが、それでも怖さは拭えない。
が、結果は千秋楽は満員御礼で、あんな状況化の中で沢山のお客さんが入った。口コミ的なものも感じるくらいだ。
内容もあるかもしれない。
江古田のガールズは娯楽を謳っている。楽しんでもらう事が一番だ。それが、あの状況で受け入れられたのかもしれない。
日々変わる状況、不安しか煽らないメディア、くそったれな政治、上げ出したらキリがないネガティブばかりだ。
演劇を観に行く事は感染を考えるといけない事ではある。ライブもそうだ。だから、大手を振って、
演劇はやらなきゃいけないんだ!ライブをやらなきゃいけないんだ!
とは言えない。
が、生きる力になることも確かだ。今後はどの判断にせよ応援していきたいし、応援してもらいたいと思う。
自分達は何とかやれたが、他の公演は中止になったりするのを見たり聞いたりすると、辛くなる。
金銭的な事もそうだが、何より、創った物が披露できず、立ち上がることもできなくなるのが一番怖い。今、そうなりつつある。
どうすべきかは分かっている。が、立場で背負ってるものが違う。それに賭けてる人達の判断とそうじゃない人とでは温度も対応も変わってくる。
もちろん、海外に比べて、今の日本の対応はクソだ。
考えても、及ばないところに差し伸べる手はない。精神論ではどうにもならないところまで来ている。
熱い意志で立ち上がる人
応援する人
出歩く人
買い占める人
文句を言う人
利己主義にしか見えない人
様々な人間がいる。
が、憎むべきはウイルスで、人ではない。今はそれが、人に向いてる気がする。きっとそれもウイルスのせいと思いたい。
早く消えてくれることを祈るばかりだ。
さて。
コロナは早くグッバイしたいが、それより先に一つのグッバイが訪れた。
江古田のガールズから、一人、劇団員が退団した。
自身のTwitterでは退団報告をしてるが、劇団としては恐らくしない方向だ。気が付いたら、HPから消えているだろう。
なんて薄情な劇団なんだ!
とは思わないで欲しい。理解し難いかもしれないが、色んな想いがそうさせている。
多分、一番ショックなのは山崎君に違いないから。
ここで、奴の事を書くと、あいつが目つき悪い感じでほくそ笑むのを容易に想像できるが、自分なりに思う事があるから書くことにする。敢えて、『奴』と書いて、褒め称えて敬意をもって貶すつもりである。
私が江古田のガールズに関わったのは2015年の『おかしな二人』からだ。
確か、奴は違う現場があったかで、少し遅れての稽古参加だった気がする。
デカいハゲが現れた。
私は東京に上京したばかりだから、そんなに俳優さんとも出会ってなかったから、衝撃は中々なものだった。
デカいハゲだ。これは下手にやらかしたら殺られる。名前も厳つい苗字だ。名は体を表しすぎている。恐らく先輩だろう。確実に殺られる。
と思ったら年下だった。ふざけんなと毎晩思ったのは言わずもがなである。
奴は年下にも関わらず、しばらくしたら私に敬語を使わなくなった。寧ろいじる事も始めた来た。
私の家のインテリアを弄ったり、言動を弄ったり。
奴は覚えてないだろうが、私に
楽しいおもちゃ
と言った事がある。
舐めた奴である。
が、奴の素晴らしい所はそれが嫌味にならない事だ。不思議なことに腹が立ったことはない。これは奴の才能だろう。私は良く弄られる人間だが、弄られる人間には一つのプライドがある。
それは『弄るなら面白くしろ。せめて、弄ってきた奴は楽しそうにしろ』である。奴はそこら辺が上手い。
なので、気が付いたら歳関係なく付き合えていた。クソみたいな言葉だが、仲間が出来たと思った。
劇団員に私がなってから分かったのは、奴は江古田のガールズの脳みそ担当だった。ガールズの中では歳は若い方であったけど、作品の内容から山崎君の考えを一番理解していたのは奴だ。
誰よりも、山崎君の事を考えていたように思う。当然、不満を漏らすこともあるし、反対もあったが、自分の意志とガールズの事を考えての意見を言っていた気がする。
山崎君からすると色々思う事はあると思うが、少なくとも私の目にはそう写っていた。
いつだったかの稽古で、奴が山崎君の横に座って、台本について皆に話すときに、船場吉兆の女将みたいに横にいて、助言していたのは今でも鮮明に覚えている。
役者としても、やはり、奴が一番、ガールズの作品で光っていたと思う。色物扱いだが、しっかりとしたものがあるし、真摯な奴であるから評価も良いし、何より皆が奴で笑う事が多かった。
私にないものを奴は持っている。
旗揚げメンバーではないが、今の江古田のガールズを支えてきたのは間違いなく奴だ。
私が劇団員になるきっかけは、作品も好きだったのがあるが、一番は、このメンバーで一緒に作品を作れることが楽しそうだったからだ。
江古田のガールズにとって、奴は自分では思っていないだろうが、大きな存在である。これは自信を持って言える。私が抜けるのとは訳が違う。屋台骨だ。
そういった奴がいなくなるのは、やはり切ないものである。何より、劇団にいれば、奴とは無条件で作品を一緒に創れるが、それが出来なくなった事が辛い。お互いこの業界にいればいつかはまた一緒に出来ることだろうが、それは何時になるか分からない。向こうが嫌な可能性があったらそれは叶わないわけだし(笑)
本意はまだしっかりと聞いてないが、ここ最近の奴のやりたいことは確かに、劇団にいては出来ない事だろうと思う。
辞めるかもしれないと聞いた時、私は少し引き留めた(つもりである)
確かに劇団にい続けたら奴のやりたい事の妨げにはなる。が、別に休団でも、やりたいときに出ればいいんじゃないかと思ったからだ。
が、奴はそれを選択しなかったし、山崎君もそれを選択しなかった。
両方とも、付き合いが長いし、人のこと言えないが、人間的にゴミクズみたいなところもある。喧嘩は絶対にしていないが、譲れなかった部分もあるに違いない。
だから双方の考えに、私がとやかく言うもんでもないし、周りが言う事でもない。
付き合いの長い二人の出した答えだ。
私は奴の新たな船出を応援する。
奴には恐らく才能がある。なにかあればすぐにでも頭角を現すだろう。
ただ、あんな見た目の癖に繊細な所がある。それは心配だ(笑)それが奴の良い所でもあるが。まぁ、きっと周りがなんとかしてくれるだろう。そんな気がする。
役者なのかもしれないし、演出かもしれないし、作家かもしれない。
だけど、どれでも奴はやってのけるだろう。
いつかまた何処かで交わることを願っている。
才能ある奴をどうか、皆さん応援してやってください。
今まで、どうもありがとう。少ない年月だったけど、一緒に劇団員としてやれて楽しかったです。またいずれ何処かで。
ではまた。