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  • おだぽひ

オラムNo.10『断りきれない男』


どうもです。

気がつけば12月です。

某ツイッターでも言いましたけど、野田地図『贋作 桜の森の満開の下』無事、4都市全59公演終了しました。

59回めのカーテンコールは何とも味わったことのない感じの特別な感じになりました。

カーテンコールが終わった袖でも、

お疲れ!お疲れ様!

と客席にも聞こえてんじゃねぇかってな声でお互いを讃えあってました。

東京の凱旋公演中は

これ、もしかして終わらない可能性があるんじゃないか......。

って謎のループ説を唱えるくらいでしたが、終わりました。どうやら時はかけていなかったようです。

改めて、終わってから数日経って思うのは、凄い舞台に参加してたんだなぁとしみじみ思う。

野田さんの作品は数あれど、遊民社時代から名作と言われ、再演を多く重ねていて、皆が憧れる作品に演劇やってて出れるとは思ってもいなかった。2度とないような人々が集まってその中に自分がいるんだから驚きですよ。

多分、全ての運と巡り合いを使った気がしていて、一周回って絶望です。

アンサンブルではあるけど、男は8人しかあの舞台に立てなかったわけだから、カーテンコールの度に

あぁ、凄い中にいてんなぁ

と思ってました。

この公演では色々、自分が演劇人としての何かを痛感したり感じたことが稽古の時からあった。

それが何なのかは、ここでは詳しく書かない。野暮ってぇ話だから。

ただ、一つ言えることは、届かない壁と遠い壁を痛感出来たことだ。

東京にいれば何となく舞台にも立てるし、何となくやれてる気がしなくもない感じになる。けど、

そうはいかないぜ織田よ。テメェはどうすんだよ?

と問われる毎日でした。

舐めてんじゃねぇ!

って思うことは少なく、

........だよね、どうしよ.....。頑張るよ........。

って毎日だった気がする暑い夏の日(笑)

夢の舞台だったけど、立てて万歳で終わることはないってことさね。詳しく聞きたい人は、モールス信号飛ばしてくれ。

ツツ、ツーツツ、ツーツ

で返しますから。

ただ、この舞台に参加出来たこと、そこで起きた事感じた事は、『演劇』だけでなく、人生において貴重な経験で、誇りに思える事だった事は確かだ。それに、メインキャストも凄いが、アンサンブルの役者の皆さんも凄いんだ。野田さんの細かい要求に答え続け、例え50回終わっていても、思いつけば良い方へブラッシュアップさせる。それに答える皆。アンサンブルでこのメンバーの中に参加出来たのは誇らしいし、楽しかった。

出演出来て、心の底から嬉しい。

さてさて。

今年も残すところ後、一ヶ月。

あんだけ四ヶ月頑張ったんだから、今年はゆっくり過ごすんだ。カリブ海でバカンスさ

なんてバカなことは言ってられない。江古田のガールズの公演が年明けにある。稽古もぼちぼち始まっている。そして、舞台監督もする。大変だ。おかしい。出るのに、また舞台監督やる。実におかしい。福山雅治が、白衣とダンロップのタイヤ持ってきそうなくらいおかしい。

そして、何故か同時期にもう一件舞台監督的な仕事もする。当然、本番にはつけないけど、それまでのサポートをするのだ。

おかしい。12月がおかしい。結果的に相談に乗る程度に止まったけど、演出助手的な話もきた。

舞台装置を作る話もきて、それは手伝った。

師走とはこういうことなのか

たまに言われるのが、

織田くんって断らないよね。死ぬの?

って言われます。生きたいとは思っていますが、確かに断ることをあまりしない性格かもしれない。

頼まれたら、よほどうんこに行きたいと思ってない限りは話を聞いてしまう。何とか力になりたいと思ってしまう。

仕事の話以外でも、なんか話しかけられたら度々聞いてしまうことがある。勧誘とかがなかなか断れないタイプだ。一回、聞いてしまうと何故だか、頑張りたくなってしまう。

この性分というか性格が度々、自分自身を苦しめている。

例えば、この前のパリ公演の時だ。

その日は朝から散歩して市場に出会い、散策するところから始まった。良い1日の始まりだった。

案の定、パリの人々に

火を貸してくれ、タバコの巻き紙をくれ

とねだられた。これくらいお安い御用だ。簡単なコミュニケーションだって海外では貴重な体験だ。

パリだって、私はお尋ねられる者さ

なんて気分を良くしていた。

そして、帰ってきて朝食を食べ、優雅に劇場に向かった。パリで買った服を身につけ、セーヌ川を散歩だ。

途中、一人で、日本人がいないことを確認してから、

ここが私のアナザースカイ

って言いながら、さもパリを知り尽くしてるかのように語るアナザースカイごっこまでしていた。

すると、一人の男が話しかけてきた。アラブ系で英語で話しかけてきた。

以下は恐らくこうであろう日本語で会話していることにする。

ア「やぁ!ちょっといいかい?」

お「はいはい?どうしました?」

ア「ちょっとアンケートを書いて欲しいんだ。いいかな?」

お「はいはい、良いですよ〜」

ってな感じでアンケートを受け取った。

そこには何が書かれているかさっぱり分からなかったが、何かの署名のようだった。名前と国籍を書きながら

ア「おっ、日本人かい?日本は最高だよな!俺は日本人が大好きだぜ!忍者が大好きだぜ!」

お「それはありがとうね!」

ア「お前は最高の日本人だぜ!何しに来たんだ?」

お「そこのシャイヨー劇場で芝居をしにきたのさ!」

ア「へぇ!そりゃいいぜ!さぁ、次を頼むよ」

と話しながら、国籍の次の項目をみると何かは分からないが、前の人が書いてるのを見ると金額が書いてある。

んっ?っと思ってると男は

「さぁ、寄付してくれ!」

と言ってきた。

・・・・しまった!これはあかんやつや!

っと思っていると

ア「いいか、俺は寄付してほしんだ!10ユーロだ。良いだろ?」

お「な、なんの?」

ア「この団体に5ユーロ、この団体に5ユーロ。計10ユーロだ。それにしても良い天気だな!日本最高だよな!」

天気関係ねぇし!

これは詐欺かもしれないと思ったが、何人かは書いてるし、10ユーロ払っている。本当にボランティア活動かもしれない。けど、なんの団体かさっぱり分からん。絵は車椅子乗ってるのと、心臓が悪い感じ人のイラストが描かれている。

ど、どうする俺。本当にボランティア活動なら断るのは後味悪いし、役に立てるなら立ちたい。

ア「ほらどうした?!早く10ユーロだ!セーヌ川は綺麗だなぁ!」

セーヌ川関係ねぇし!

迷った末、とりあえず5ユーロ差し出して

お「ごめんなさい、今これしかないんだ・・・。」

とお金を差し出すと、目にも止まらぬ速さでそれを奪い取り

ア「だめだ!10ユーロじゃなきゃダメなんだ!後5ユーロだ!」

なんで10ユーロじゃないとダメなんだよ!寄付って強制じゃないだろ!これはいかんぞ!

けど、なにされるか分からない。持ってないアピールで切り抜けよう。

ア「2団体に寄付するんだ。5ユーロじゃ足りないだろ?後5ユーロだ。」

お「いや、もう現金がないんだよ。」

ア「足りないんだ!10ユーロだ!」

足りねぇってなんだよ!っというか渡した5ユーロも返・・・てめぇ、俺の渡した5ユーロどこやった!もう締まったのか!てめぇの方がよっぽど忍者だバカヤロー!

払え、ないの押し問答をしていると、どこからともなく、変な婆さんが現れて

バ「10じゃないとダメだよ!こっちとこっちに寄付してるんだから!払いな!」

と言ってきた。

おめぇはどっからやってきた!くノ一か!

しかし、負けてはいけない。

お「いや、5ユーロしかないんだって!ノーマネーでフィニッシュ!なんでんかんでん(言ってない)」

すると

そいつは

「くそっ!もうお前はいいよ!・・・・はい!ちょっとここにサインして欲しいんだけど!」

と次のやつの所にいった。

もうお気づきだろう。

騙されましたっ!!

話しかけられたり、怪しいと思った時点で断ればよかったが、それが出来ない男なのだ。

騙される前のセーヌ川綺麗だった

ロンドンの一人旅の時も、化粧品のサンプルを受け取ってしまい、話しかけられて、謎の液体を自分の手のひらに塗りたくられ、

「あなたの皮膚にぴったりのがあるわ!中に入って!」

と言われ、なすがままに謎の化粧品店に入り、またもや謎の液体を手に塗られ、何故かボロボロとカスが出てきて

「なんてこと!これは全部死んだ皮膚のカスよ!あなたの皮膚は死んでるわ!でも大丈夫!これを塗れば生き返るのよ!80ポンドで買えるわ!」

と化粧品を買わされそうになった。それも

アイムノーマネー!ノーマネーでフィニッシュ!

とかなり申し訳なく断って店を出た。

5メートルくらい歩いたまた、声をかけられて、店に連れ込まれそうになったのは言わずもがなである。

海外は本当に怖い(私がバカなだけ)

本当に気をつけないと、いつか間違ってコーヒー豆の先物取引とかしてしましそうだ。

疑いはするけど押しに弱いのをどうにかしたい。

来年の目標は、

断る勇気を持つ!

にしようと思っています。

が、現状いくつかスタッフ仕事のオファーもきていて、受けきると死んでしまうかもしれないが、受けようとしている自分がいる。

来年の目標、今年のうちに断念!!

正解は越後製菓!

関係ねぇ!

まぁね、来たオファーは断りませんよ。必要とされてるうちが華ですから。誰かの役にたてるならお安い御用だ。

なので、私織田は、役者、スタッフなんでもやりますんで仕事ください。

ってな感じで今回はこの辺で。

ではまた。


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